未確認で進行形#12「わかってる?…わかってる」感想
最終回です。
最終話です。
ついにこのときが来てしまいました。
姿を消した真白と白夜を気にしつつも、いつも通り家事にはげむ小紅。
そこへ、まゆらから電話。
事の顛末を話し、追いかけないの?と聞くまゆらに母や紅緒のことを気にしている素振りを見せる小紅。
「許嫁なんだから、探しに行ってもいいでしょ?」
と背中を押すまゆら。グッジョブ。
こういうとき、やっぱり背中を押してくれるのは頼れる友達ですよね。
そんなわけで支度をし、三峰の一族が住む山へ向かう小紅。
ここでBGM、小紅のキャラソンである「ほんとのきもち」が流れます。
いい曲ですよね… まさに、白夜と真白を失って、それでもまだ求めて歩く小紅の気持ちそのままだと思います。
このときの、窓に映る何を考えているのかわからない、普段は見せない無表情な小紅がたまらなく好きです。
山へ到着したのはいいものの、道に迷った挙句、病弱なのも相まって体調を崩す小紅。
そのころ、白夜と真白は山菜採りをしていた。
学校の通知表を見せるのと、教科書を置くのと服装の衣替えのために実家に戻ってきていた2人。それから、山菜を採って小紅にあげようとしていた。
そこで白夜、小紅の気配を感じ小紅の元へ。
不安と寒さで震える小紅。
そこへ白夜と真白登場。事の顛末を知り、2人が一時的な里帰りだったことを知った小紅は、安心して倒れ込んでしまう。高熱。
運悪くも、吹雪になってしまい、
吹雪のまま、小紅を背負って歩くことは不可能と考えた白夜はまず、他の人を呼びに行く。
そして真白は、焚き火の木を探しに行くために洞窟を離れる。
一人ぼっちになってしまう小紅。
熱で浮かされながら、過去のことをふと思い出す。
家事をやっていたのは昔からだった。
優秀な姉や母とは違い、自分は家事しか
できないから。
家事をやらなければ、一人ぼっちになってしまうから。
家の造りが、現在の夜ノ森家とはだいぶ違うので引っ越す前の家ということでしょうか?
小紅は今まで、優秀な姉の紅緒や母に迷惑をかけぬよう、家事を頑張っていました。小さい頃から。
姉と母が出かけるとき、本当は自分も連れて行ってもらいたい気持ちを、ぎゅっと小さな手で握りしめ堪えていました。
勉強も運動もできないから、せめて家事をやらなければ見捨てられてしまうとか、そんな気持ちが強かったんだと思います。
それでも、そんな小紅でも、どんな小紅でも受けれ入れてくれる存在が現れました。
白夜と真白。
白夜は、甘いものが苦手だけども、小紅が作ったものならなんても美味しいといって食べてくれる。普段ぼーっとしていて無表情だけど、ふとしたときに笑顔を見せてくれたりする。
真白は、甘いものが大好きだし、洋食に憧れている。小紅が作ったものをすごく美味しそうに食べてくれている。小姑気取ったことを言うけどもまだまだお子様。小紅が熱で倒れたときは、学校から急いで帰ってきて看病してくれた。
そんな2人だけど、
"秘密を知られたらこの街にいられなくなってしまう"。
2人がいなくなることに不安を感じ、熱に浮かされながらもふらふらとした足取りで洞窟を出てしまう小紅…。
やがて、母の白雪含め他の大人たちを連れてくる白夜、焚き木を見つけるのに手間取っていた真白が戻ってくる。
けれど、小紅の姿が見つからない。
自分のせいだと涙を浮かべる真白。
この真白たん最高に可愛いですよね。抱きしめて頭なでなでしたいくらい可愛いです。
不安に駆られる白夜と真白をたしなめ、落ち着くように言う白雪さんさすがです。
やがて、小紅に貸していた白夜のコートが落ちているのを見つけた。
この近くにいるはずだと捜索を続ける。
その頃、ふと我に帰った小紅。
洞窟からかなり離れたところまで歩いてしまっていて、戻ろうとするも足がよろめき、その瞬間、足場が崩れ、崖から転落…
その瞬間。
最愛の許嫁のピンチに駆けつける青年がいた。
「今度は、間に合った」
幼さゆえに、助けられなかった、掴めなかったその手を、成長した今ようやく掴むことが出来た。
引き上げられ、温かい飲み物を差し出される小紅。ふと、
「あの時もこうだったのかな」と呟く。
何も答えず、黙って小紅を抱える白夜。お姫様抱っこ。
この一連の流れで、もう小紅と白夜が、お互いの気持ちをいちいち口に出したりするほどやわな関係じゃないっていうのが、わかっていいと思います。
小紅を抱えて歩き出す白夜。
このあとの2人の会話が本当に、今まで観たアニメの中でいちばんと言って良いくらい好きなシーンです。
小紅「その怪我、私のせいじゃないって言うなら隠さなくてもよかったんじゃないか?」
白夜「知ったら、気にするかと思って」
小紅「するよ!気にするし、ビックリするし、申し訳ないって思うし。でも、そんな大事なこと秘密にしないでほしかった」
小紅「だって、私達、許嫁なんだろ?」
小紅は、普段から誰にも頼らず、なんでも自分一人でこなしてしまう上に、周りの面倒も見てしまう強い子だとおもいます。
けれどもその反面、身体が弱かったり、優秀な姉に引け目を感じたり、いつも気を遣ってるところがあります。
けれども、そんな小紅が自分の弱いところもさらけ出し、ありのまま、甘えられるような人が現れました。
お姫様抱っこというのは、自分の身体全体を相手に預け、密着させるものです。
抱えている相手が手を抜いたりすればバランスを崩して落ちてしまうでしょう。
ましてや、普段の小紅なら…
体調を崩しても崩していなくても、白夜の手を振りほどいて1人で歩いていたでしょう。
それを、白夜を頼って、安心して身体を預けている。
白夜に対して強い信頼を寄せているんだなというのが伝わります。
そして、この話のタイトルにもなっている、2人での「わかってる?…わかってる」という掛け合い。
このまま、こんな自分と許嫁でやっていくことを、そして一人ぼっちにしないことを確認するために。
「わかってる?」
「…わかってる」
私はこの一連のシーンで涙が止まりませんでした。感想を書いてる今も涙が止まらなくて…
そんな感想をぶち壊してくれるのは、紅緒様。
夜、雪山の中という非日常を一気に紅緒様の暴走が日常へと戻してくれる。
そんなわけで、無事に小紅たちは揃って進級。
このはと真白はまた低レベルな争いを繰り広げ、仁子ちゃんはUMAでスクープを狙ってみたり、生徒会はいつも通り。
そんないつも通りの日常の中、白雪さんが小紅に山菜を届けてくれました。
山菜を使い、鍋を振る舞う小紅。
真白をからかう紅緒。
相変わらず、「小紅の作ったものならなんでも美味しい」なんて言う白夜。
照れつつ、「でもまぁ、いいか」という小紅。
未確認で進行形のアニメはこれで幕を閉じます。
非日常は終わり、それでも日常はこれからも続いていきます。
第1話の最初に流れた曲が流れ、みんなの
未来へと繋がっていくのです。
未来はまだ未確認だけども。
私はこの作品を通して、本当に小紅ちゃんが可愛くて、紅緒様が凄く素敵で、真白たんが可愛くて、本当に大好きな作品でした。
だから2期もやってくれないかなとか、劇場版とか色々期待していました。
もう日曜24時半から未確認で進行形を毎週リピート放送しろとかそんなことも思っていました。
でも、こうして12話の感想を書ききり、読み返してみるとそんな必要ないなと思うのです。
わざわざアニメとしてやらなくても、荒井チェリー先生原作の漫画はこれからも続いていくだろうし、それに、小紅たちの日常も、あのまま続いていくだろうというのが分かるからです。
これから、私達がどうなるのか今はまだわかりません。
でもしばらくは、こんな毎日が続いていくんだと思います。
なにより、小紅自身がそう言っていますからね。
ベストアルバムが発売されたことですし、原作6巻も発売されましたし、まだまだ目が離せない未確認で進行形、これからも1ファンとして応援し続けたいと思います。
終わり。
全12話の感想を読んでくださった方々ありがとうございました。